魔笛を観に行こう・トップ ↑ → SymphonyNo.3 Beethoven

チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

Concert for Violoncello and Orchestra in B minor, op.104

Antonin Dvorak A.ドヴォルザーク

チェロ協奏曲の最高傑作。ブラームスは、この曲を聴いて、「チェロを使ってこんなにすばらしい協奏曲を書けるんだったら、私も書いたのに」と嘆いたといわれる。

一般的な3楽章構成。第1楽章は、ナイアガラの滝を見て出てきた旋律をクラリネットが演奏し始まる。全体では、ドヴォルザークの故郷への思いを、切々と歌い上げた作品となっている。第2楽章は、特に美しい。

ドヴォルザークは、50歳を過ぎてから、ニューヨークのナショナル音楽院の院長として招かれ、合衆国に渡った。そこで黒人霊歌やアメリカ先住民の民謡と出会い、影響を受ける。そこで、交響曲第9番『新世界より』、弦楽四重奏曲第12番『アメリカ』を作曲、そして合衆国滞在の最期に、このチェロコン(チェロ協奏曲のこと)を完成させた。

チェリスト(チェロ演奏者)のハヌシュ・ヴィーハンの依頼により書かれ、1896年6月3日、ロンドンで初演が行われた。チェロ独奏者は、ヴィーハンではなく、レオ・スターンだった。チェコ初演は、ヴィーハンによって。

ドヴォルザークは、この曲の作曲後は、故郷のボヘミア(チェコの西部地域の地名)に戻っている。ドヴォルザークの作品は、総じてボヘミアの民俗音楽が色濃く出ていて、その叙情性が魅力ともなっている。先に紹介した、合衆国滞在中の3曲は、いずれも現地の音楽の影響とボヘミヤの音楽が融合し、独特の雰囲気をかもし出している。ただ、黒人霊歌・アメリカ先住民の音楽の影響といっても、それをそのまま利用しているわけではなく、影響を受けたということらしい。


チェロの音色が、やっとしみるようになってきた。

「過去を振り返るな」とよく聞くのだが、過去を振り返るのは、そんなに後ろ向きのことだろうか。いや、確かに後ろを向いているのだが…。

ニューヨークの音楽院の院長に招かれていたドヴォルザークが、故郷のボヘミアを想って作曲した「チェロ協奏曲ロ短調」。しみるなー。

今も、生まれ育ったところで暮らす私には、望郷の想いはわからないが、幼友達に連絡してみよう。きっと元気で、頑張っているから。

半月分くらいの元気がもらえた。「あぁ、俺も頑張らねば」。未来に向き直ったときに、勢いがつく。

チェロの音(ね)に 浮かびあがりし 友の顔
たつく
器語:チェロ)

© May 4th, 2003  たつく

聴いた録音のデータ
チェロ ミッシャ・マイスキー Mischa Maisky
オーケストラ イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 Israel Pilharmonic Orchestra
指揮 レナード・バーンスタイン Leonard Bernstein
時期と場所 1988年6月 テル・アヴィヴ

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